祝婚歌
今日は"祝婚歌”という詩を紹介します。おそらく沢山の方が結婚式などのスピーチで聞いた事があると思うのですが、私は夫婦というより親子・友人・家族・大事な誰かと向き合う時にこの詩のような奥深い優しさを持っていたいと思います。
吉野さんは、姪子さんの結婚に際してこの詩を作られたそうです。そして、この詩が民謡のように誰が作ったがわからないけど、誰かの心に響いて語り継がれるといいと思っていらっしゃるそうです。いいなぁ〜と思われる方はどうぞ伝えたい誰かに贈ってあげてください
『 祝 婚 歌 』 吉野 弘
二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派過ぎないほうがいい
立派過ぎることは
長持ちしないことだと
気づいているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
二人のうち どちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気づいているほうがいい
立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には色目を使わず
ゆったりゆたかに
光を浴びているほうがいい
健康で風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そしてなぜ 胸が熱くなるのか
黙っていてもふたりには
わかるのであってほしい
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